
QIDI Plus 4 導入レビュー:加熱チャンバー付き高コスパ機を導入!
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1. はじめに
3Dフィット工房では、プロトタイピングや小ロット量産の現場において、PCやASAといった高強度フィラメントを多用しています。 これらのフィラメントは耐熱性・機械的強度に優れる遮蔽、反りや層間剥離といった課題も抱えており、安定した造形にはエンクロージャー付き、できれば加熱チャンバー付きの3Dプリンターが理想的です。
これまでにはPrusa MK4Sといった信頼性の高い機種を導入し、日々の製作に活用してきました。 MK4Sは非常に優れたプリンタで、自作の簡易エンクロージャーを装着して運用していましたが、周囲の気温に大きく左右されるため、特にPCやASAのような高温材料造形では安定性の課題があるという印象を持っていました。
一度経験から、季節や作業環境に左右されずに高強度フィラメントを安定して使える設備として、加熱チャンバーの重要性を強く実現することができました。
さらに、事業の拡大や新素材・マルチマテリアル対応など、次の段階を見据えた開発体制を整える中で、より広いビルドボリュームと、コストパフォーマンスに優れた機種が求められるようになりました。
そこで新たに導入したのが、今回ご紹介する「QIDI Plus 4」です。
この記事では、以下のポイントについて詳しく解説していきます。
- なぜ「QIDI Plus 4」を選ぶのか?
- セットアップの流れと初期印象
- 実際の使用感と今後の検証ポイント
- 購入に関する注意点(価格差・納期など)
-
やはりのやカスタマイズの方向性
加熱チャンバー付き3Dプリンターを、コストパフォーマンス重視で選びたい方にとって、この記事が材料の一つに一つになって思います。
2. QIDI Plus 4を選んだ理由
これまで当工房では、Prusa MK4Sを中心に3Dプリント環境を構築してきました。MK4Sは非常に完成度が高く、信頼性のあるプリンタです。自動レベリングや安定した出力精度、ソフトウェアの継続的なアップデートなど、長期運用に適した多くのメリットがあります。
ただし、PCやASAなどの高強度フィラメントを多用する環境においては、いくつかの課題が見えてきました。
■ Prusa MK4Sの限界
MK4Sには簡易的なエンクロージャーを取り付けて運用していますが、外気温の影響を完全には遮断できないため、季節や室温の変化によって出力品質にばらつきが出ることがあります。
特に冬場や寒冷な時間帯では、ASAやPCの造形中に反りや層間剥離が発生しやすくなる。 結果として、冷却ファンを弱める → 冷却不足 → 印刷速度の低下 → 印刷時間の増加、という悪循環にかかるケースも多く、フィラメント特性に応じたチャンバー温度の安定維持が当然であると実現しました。
■新たに求めた3つの条件
1. コストパフォーマンスと複数台運用
スモールビジネスを軌道に乗せるためには、初期投資を重視することが最優先です。高機能な1台に頼る構成では、故障時のリスクや注文集中時の対応力には限界があります。
そのため、コストと安定性のバランスが良い機種を複数台導入し、並列運用することを前提に検討を進めました。
2.マルチマテリアル(MMU)対応への拡張性
マルチマテリアル対応は、造形の幅を広げるだけでなく、セグメント交換取りの自動化という運用面の利益が非常に大きなポイントです。
特に、本業で会社員をしながら個人事業として運営している状況では、プリンタにかけられる時間制限されるため、また工程の自動化は以上の想像に大きな誤りとなります。
3. ビルドボリュームの拡大と造形効率の向上
大型や複数部品の同時出力というニーズが増えており、300mmを超えるビルドエリアは今後の展開を見据える必要があります。
TPUなどの糸引きしやすい素材でも、オブジェクト順の出力を使えば、干渉を避けながら品質を保った複数同時造形が可能になります。
■比較検討した候補とQIDI Plus 4の決め手
- Bambu Lab X1E :AMS対応・高速印刷・AI機能付き(価格:約46万円)
-
Prusa Core One :チャンバー対応、MMUとの相性も良いが価格は20万円超え
その中で、QIDI Plus 4は以下の点で印象的でした。
- 加熱チャンバー搭載(最大65℃)+高温印刷370℃
- ビルドサイズ:305×305×280mm
- Klipper搭載(カスタマイズ性抜群)
- QIDI BOX(マルチカラー)対応予定(2025年6月末)
-
価格:約11万円(公式サイト:マルチカラーなし)
3. 初期セットアップの感想
■ 開けと設置のしやすさ
- 梱包が非常に丁寧、工具・付属品も充実
- 組立不要で、設置後すぐに運用可能
-
相当剛性が高く、安定性も優れている
■タッチパネルの操作性
- 約5インチの大型カラータッチパネル
- 自動レベリング、フィラメントロードも簡単
ただし、基本的にはPCから印刷がメインですので重要度は低いです
■初回印刷テスト(ベンチ)
-
調整は必要に見えるがまず第一の造形
■好印象だった点
- 見た目が良いのでテンション上がります
- LEDライト搭載で視認性◎
- PEIスチールプレートが標準
- QIDIStudioがほぼOrcaSlicserなので、操作に違和感なし
- 内蔵カメラの位置が良くタイムラプスもいい感じ
-
Klipper搭載なので今後の拡張や調整など自由度が高い
4. 実際の使用感と今後の検証ポイント
■高温材料での安定性
- PC/ASAでも反りが大幅に軽減・・・これは大きい
-
チャンバー温度が安定しており層間結合も良好
■長時間出力でもトラブルなし
- 12時間以上の連続造形でも安定稼働
-
偶然やズレなどの不具合も一切なし
■改めての検証予定
- 速度・加速度などを含めた印刷条件出し
- 冷却ファンと出力強度の関係
-
チャンバー加熱時にの機械特性差※なお、QIDI Plus 4ではX1Cシリーズのような自動流量補正機能は搭載されていません。そのため、フィラメントごとの流量調整は手動で行う必要がありますが、一度だけ作っていただければ、再調整の頻度はより安定した運用が可能です。
今回は初期レビューになりますが、今後さらに使用を中で得た知見や調整のポイントなども順次発信していく予定です。
5. 購入情報とアフィリエイト案内
■Amazon購入の特徴
- 即納性◎、返品対応も安心
-
価格はやや高め(変動あり)
■公式サイト購入の特徴
- 定価が安い(11万円台)
- 国内倉庫発送で3〜5日で到着
-
セール・クーポンも豊富
■購入先リンク
6. まとめ
■総合評価
項目 |
え |
価格 |
★★★★★ |
機能性 |
★★★★☆ |
ビルドサイズ |
★★★★★ |
安定性 |
★★★★☆ |
将来性 |
★★★★☆ |
■素敵な人におすすめ
- 高温フィラメントを使う中〜上級者
- 一体成形や複数出力で作業効率を上げたい方
-
コスト重視で業務用レベルのプリンタを導入したい方
■ストーリーの展望
今回は初期レビューとしてまとめましたが、今後。改造や材料の強度調査なども不定期に配信予定をしています。