フレームへの当たりはやさしく、ハンドルの首振りは抑えたい。FLEXLOCKが今の形になるまで

フレームへの当たりはやさしく、ハンドルの首振りは抑えたい。FLEXLOCKが今の形になるまで

洗車中、自転車を立てかけた拍子にハンドルがくるっと切れる。写真を撮るときも、せっかく構図を決めたのに前輪がそっぽを向いてしまう。そんなとき、停車中だけ前輪とダウンチューブの間に挟めるように作ったのがFLEXLOCKです。

開発の様子をXに載せていた頃、気になっていたのは「フレームに傷がつかないか」ということでした。しっかり挟むだけなら、硬く作ればいい。でも、大事な自転車に直接触れる面まで硬くする必要はあるのか。ここが設計を見直した出発点です。

最初の95Aは、押してみると硬かった

初期型は95AのTPUで作りました。中の格子をまばらにすれば、もっと柔らかくなるはず。そう思ってインフィル密度を下げてみたのですが、指で押したときの感触は、ほしかったものとは違いました。

そこで素材を85Aに替えました。フレームに当たる面に硬い外壁を作らず、格子がそのまま沈み込む形にすると、ようやくスポンジのような感触になりました。95A版に比べれば固定力は下がりましたが、洗車や整備、立てかけて撮影するといった私の用途では、特に困りませんでした。これは実際に手で押して使った感想で、95Aと85Aを同じ荷重で測った結果ではありません。

今回使った材料:Siraya Tech Flex TPU 85AをAmazonで見る(広告・Amazonアフィリエイトリンク)。Amazonのアソシエイトとして、つくはるガレージは適格販売により収入を得ています。

柔らかくしたいのは、フレームに触れるところだけ

一方で、挟むアームまで外壁をなくすと、芯がなくなります。広げたあとに戻る力も弱く、フレームを挟み込めません。そこで、クッションは外壁をなくして格子が直接沈むようにし、アームには外壁を残しました。どちらにも上下面のふたは作っていません。しなりを残したかったのと、格子が見える姿が、単純にかっこいいと思ったからです。

アームには戻る力を残し、フレームに触れる格子は指で押すと沈む構造にしました。
アームには戻る力を残し、フレームに触れる格子は指で押すと沈む構造にしました。

格子の模様と詰まり具合は、印刷したものを一つずつ指で押し、好みの感触を探りました。アームとクッションは同じ85Aです。わざわざ別々に印刷してつなぐと、接続部を設計して組み立てる手間が増えるので、二つの設定を使いながら一体で印刷しています。

実物を動画で見る:クッションが指で沈み、広げたアームが戻る様子

逆に、自転車ごとに寸法が違うところは分けました

一体で印刷するのは、アームとクッションの部分です。製品全体はTPUとPETGの部品を組み合わせます。選ぶときに見てほしいのは、①ダウンチューブの幅(40〜70mm)、②タイヤ幅(25〜28C用または30〜35C用)、③ダウンチューブとタイヤのすき間。すき間は+10mmと+20mmの延長パーツで、最大+30mmまで調整します。

フレーム幅・タイヤ幅・すき間に合わせて選べる部品です。
フレーム幅・タイヤ幅・すき間に合わせて選べる部品です。

私が狙ったのは、いちばん強く締め付ける道具ではなく、必要なところだけが柔らかく、洗車や撮影の間はハンドルの首振りを抑える道具でした。ご自身の自転車に合うかは、FLEXLOCK完成品のサイズと装着例をご覧ください。ご自身で印刷したい方向けにはCults3Dの印刷データ(有料)も用意しています。

外層をなくすと、どれくらい沈みやすくなるのでしょうか。同じ85Aで4条件を押し比べた実験はこちら。

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